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小笠原 かおり さんさんさんさ イメージ

「土を触っていると、自然と一体になっている気がするんです」。

朝早くから日没まで、顔を土まみれにしながら、黙々と農作業に汗を流す。その働きぶりは、地元の農家も脱帽するほど。農業へのゆるぎない情熱が彼女を支えている。

 

和歌山県の高校を卒業後、兵庫県の乗馬クラブに勤務し、障害者のための乗馬に取り組んだ。

「乗馬の揺れが障害者にとってほどよい運動になり、馬の包容力は、障害者に安らぎを与えるんですよ」。

障害を持つ弟の影響もあり、物心着いたころからの夢だった。障害者と心からふれあい、見上げるほど大きな馬を相手に、乗馬はもちろん、馬の調教の仕方もしっかり身につけた。

 

しかし、弟が病気がちで、食事が制限されていたこともあり、人一倍家族想いの姉は、「安全でおいしい野菜をつくりたい」と、いつしか農業への憧れを抱くようになったという。

 

−自然豊かな北海道で農業がしたい−

2年前、7年間勤務した乗馬クラブを後にして、身の回りの荷物片手に、単身で北海道に渡った。重労働と単純作業に嫌気がさし、農業を挫折する若者が多い中、「その中に学ぶべきものが詰まっている」と自らを奮起。「トマトには毛が生えているなんて!」と、作業中の驚きは耐えず、野菜の生長に目を輝かせる。

 

「農業を通じていろんな人と出会いたい」。

次の夢は、農場を開放して、農作業や加工体験で消費者とふれ合うこと。そのためには、「まず自分が農業を体で感じ、それを人に伝えるのが一番」ときっぱり。時折見せるはにかんだ笑顔が、化粧では繕えない優しさと、芯の強さを醸し出している。

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